脳内百景

3ピースロックバンド"The Highways"のギターボーカル、徳永の脳内。

[曲解説]2ndシングル『This is fun?』

先日、8月11日に下北沢LIVEHOLICにてレコ発ライブ、『This is fun!!』を開催した。

関わって頂いた全ての人に改めて感謝を述べたい。

 

さて、今回はシングルに収録した3曲について話してみたいと思う。

本来僕は曲について語ることは野暮だと考えている。音楽というのは想像の余地を残せる事も魅力のひとつだ。全て説明するとたちまちつまらなくなったり、そもそも説明できない事もあったりする。

だが今回はあえて説明してみたい。既に『This is fun?』を聴いたことがある人も、そしてない人もこれを読むことで、改めて興味を持ってもらえると嬉しい。

 

1曲目 『This is fun?』

言わずもがな表題曲。サビのメロディが最初に浮かんできて、他を後から肉付けした。もちろん例外もあるが頭から作っていく事が多いので珍しい順番でつくった曲と言えるかもしれない。

タイトルは"?"がついているが、これは問いかけだ。それは本当に楽しいのか?と聞いている。

 

みんなものの良し悪しをどうやって判断しているのだろう。これが好きなのか嫌いなのか何を基準に決めているのだろう。

自分で選択したと思っていも実は環境や世間の雰囲気に流されたり惑わされたりしている事は多々ある気がする。(嘘つけ!君の心は本当にそう感じているのか?なんて思う事はよくある。)

僕はそういう状況によって隠れてしまった自分の本当の気持ちをないがしろにして欲しくなくてこの歌を書いたのだ。皮肉も込めて。

各々が違う感覚を持っている。そのひとつだけの感覚を大事にして欲しい。そんな気持ちがこもった歌なのだ。

 

 

2曲目『僕にはわかる』

僕は1人で弾き語りも月一回くらいのペースでやっているが、その時ブルースをカバーする機会があり、それがきっかけでインスピレーションが湧いてできた曲だ。

 

歌詞を書いている時、『僕にはわかる』なんて詞は非常に傲慢だと思った。

なぜなら僕自身が「君の言ってる事はよくわかる」、とか適当な事を言う奴を信用していないからだ。(もちろん信頼できる人の真剣な言葉の場合は何より力になる。)

そんなに簡単に人の気持ちはわからない。どんなに近しくてもわからない事はある。

 

ただそんな気持ちの中、この歌詞を書く事を後押しした曲がある。 The Smithsの「ASK」という曲だった。

 

 

この曲は簡単に言えば応援歌である。"もし君にやりたい事があるなら僕に聞いてみなよ、ダメっていうわけないだろ" 和訳すればこんな歌詞があり、これはあまりにもストレートな応援だ。まるで君のことをわかっていると言ってくれているようだ。

僕はモリッシーが傲慢だなんて思わなかった。元気がでた。

そして『僕にはわかる』を書いても良いんだ、と確信したのだった。

 

 

3曲目『コーヒーの香り』

 

3曲のうちで最も古い曲だ。たぶんもう完成してから5年は経っている。

この曲は生活と人生の戦場のせめぎ合いの歌だ。飛び込む事への不安と、普通の生活を失う事への恐怖、だけど挑戦したいという勇猛な気持ち。

このコーヒーの香りという言葉は生活そのものを表している。どんなに激しい場所にいても生活は必ずするものであって、ないがしろにしてはいけない、大事な事なんだと言いたかったのだと思う。

結局人をつくるのは生活なのだから。

 

 

僕は日頃からコーヒーが大好きでよく飲んでいる。自分にとってコーヒーは生活を表す上でぴったりの言葉だった。

是非この曲を流すときはカップ一杯のコーヒーを片手にゆっくりとした気持ちで耳を傾けて欲しい。

 

 

さて、野暮だと言いながら長々と書いてしまった。この文章によってThe Highwaysの歌に少しでも興味をもってもらえれば本望だ。

是非ともライブにも足を運んでもらいたい。

 

『This is fun?』MV→https://m.youtube.com/watch?v=Mh9xzWk4W7k