脳内百景

3ピースロックバンド"The Highways"のギターボーカル、徳永の脳内。

日常短編シリーズ

日常短編シリーズ:変わり目

これはフィクションであり、ノンフィクションの話でもある。 黒い革靴の表面を車のライトが滑り抜けてゆく。 既に日は完全に落ちていて、街灯や信号の光が闇に浮き上がっている。 少し肌寒い。半袖のTシャツで出てきた事を間違っていたとは思わない。昼間は…

日常短編シリーズ:隣のあんちゅわん

これはフィクションであり、ノンフィクションの話でもある。 新型ウィルスの感染拡大の影響により、家にいる事が多くなった。 僕がしている仕事は自粛の対象ではないため出勤は以前とさほど変わらずしているが、バンドの練習やライブができないためその分時…

日常短編シリーズ:その本を読みたい

これはフィクションであり、ノンフィクションの話でもある。 その本を読みきりたかった。 深夜1時を過ぎてバイトを終え、帰路に就く。1冊の本を読みかけていた。バイトの休憩中にも読んでいたが読み切れず、あと3分の1くらいは残っている。明日は忙しい…

日常短編シリーズ:なんでもない日

これはフィクションであり、ノンフィクションの話でもある。 ハッと目が覚めた。昨日遅くまで酒を呑んでいたため、からだが非常に重い気がする。 部屋の中はカーテンの隙間から漏れる光と、透けてみえる微かな光によって真っ暗ではない。 今日はバイトがある…