脳内百景

3ピースロックバンド"The Highways"のギターボーカル、徳永の脳内。

感想

本:-豊饒の海-暁の寺

この本は、三島由紀夫が人生の終わりに書き残した長編小説、全4巻のうちの3巻だ。 内容が濃くなってゆくので先に言っておくと、僕は信じている宗教はなく、輪廻転生も信じていない。 今回はこれまで転生してきた主人公を見届けてきた本多が中心となって物語…

本:豊饒の海-奔馬-

この本は、三島由紀夫が人生の終わりに書き残した長編小説、全4巻のうちの第2巻だ。 第2巻は第1巻の18年後が舞台。第1巻で壮絶に若さと命を燃やし、死へ向かった清顕は、第2巻で10代の若者、飯沼勲へ転生する。 当の本人は前世の記憶はなく、その事実に気が…

本:豊饒の海-春の雪-

この本は、三島由紀夫が人生の終わりに書き残した長編小説、全4巻のうちの第1巻だ。 この話は、松枝清顕と聡子の恋愛が中心であるが、決して美しい恋愛話とは言えない。 美しい点があるとすれば、若くて世間をしらず、利己的な、清顕の命のエネルギーの燃焼…

映画:ゴジラ対ヘドラ

1971年公開、ゴジラシリーズ第11作目。 当時問題となっていた大気汚染や水質汚染を取り上げたゴジラ作品。 汚染により発生したヘドロの中から生まれた怪獣としてヘドラが描かれる。 ヘドラのデザインは奇妙で不気味。成長により姿が変化する上、飛行形態か…

映画:JOKER

ジョーカーをみた。久々に鑑賞中に身体がこわばる映画だった。非常に個人的な、社会、他人への憎しみが社会情勢とうまく(逆に言えば不幸にも)噛み合った結果生まれた物語だ。 個人的な社会や他人への憎しみは、遺憾無く爆発されたまま物語は終わる。ただ僕…

ミロコマチコさんの絵について

今回はミロコマチコさんという画家、絵本作家について話したい。 僕がミロコさんの絵を初めて真正面から体験したのは、去年の春くらいだと思う。世田谷文学館という施設で企画展があり、それを観に行ったのだ。 以前から家がそう遠くない事もあり、世田谷文…

漫画:人造人間キカイダー

今回は石ノ森章太郎が描いた人造人間キカイダーについて書く。多少ネタバレを含むので、読む予定がある方は自己責任で。 特撮作品としてのキカイダーの方が世間一般的には有名なのかもしれないが、今回はあくまで漫画版原作について書く。 まず興味を引くの…

本:長距離走者の孤独

今回は本について書いてみる。 イギリスの作家、アランシリトー作の長距離ランナーの孤独という本である。この本はいつも弾き語りをやっている下北沢ARTISTのコニシさんから借りたものである。 この本に興味を持つきっかけというのがそのコニシさんとの会話…