脳内百景

3ピースロックバンド"The Highways"のギターボーカル、徳永の脳内。

世の中は曖昧な謎だらけ

寒さが増してきて、季節が秋から冬へと変わろうとしている。

季節の変り目には風邪を引きやすいとよく言う。自分もこの文句はよく使うし、最近も誰かとそんな話をしたばかりのような気がする。ただよく考えると何故季節の変わり目だから風邪をひきやすいかを完璧に説明するのは意外と難しい。

 

こういう、なんとなく使っている言葉やものは世の中に沢山ある気がする。世の中は小さな謎で満ち溢れているんじゃないか。

もちろんそういう言葉を使う事をやめたほうが良いなんて思わない。いちいちそこまで頭を回転させていたら疲れてしまうし、大抵こう言う類の言葉を使っているときは大した意味は含まれていない事が多い。会話を円滑に進めるための潤滑油みたいなものだったりする。

 

ただ僕はそういうなんとなくが増えすぎてしまう事は少し怖い事だと思う。

 

なんとなく蔓延る謎に疑問を持つ事を忘れると、自分というものが薄れていく気がする。

 

人々の意見や、物事に対しての見解は、白か黒の2択ではない。その間に無限のグラデーションが広がっていて、無限の答えがあるものだ。その無限の中のたった一つが自分の答えなのだ。

 

最近はSNSで簡単に他人や自分の考えをシェアできる。たくさんの共感を得る意見や言葉が確かにある。ただ僕はどうしても共感した他人の考えをシェアしている人々が、1から100までその考えに同意しているとは到底思えない。リツイートの数やいいねの数に流されて、なんとなく意見を決定してしまって自分の本当の答えを見失っている人も多い気がする。

僕は自分だけの言葉で喋りたい。他人の言葉をまとって、自分の心がわからなくなりたくはない。

 

 

自分にとっての世の中の曖昧な謎を増やしすぎたくない。いつも当たり前を疑っていたい。疲れない程度に。